こんにちは。「どこにいても、つくってゆかいに暮らす。」を掲げる株式会社トーチのニュースレターです。このニュースレターは、トーチのインターン生あさじまが、毎月第一火曜日の朝にメディアやローカルに関するトピックをお届けします。もしよければニュースレターのご登録お願いします!
今回のテーマは、「海外事例から見る、有料ニュースレター運用のポイント」です!日本ではまだ馴染みのない有料ニュースレターですが(ニュースレターについてリサーチした記事はこちら)、アメリカでは、ニュースレターで年間数百万円を稼ぐ個人ライターが数多く存在しています。最も人気のあるニュースレターサービスのsubstackは年々購読者数を伸ばしており、現在は有料購読者数が150万人を突破しています。
今回のニュースレターでは、有料購読者数の多い海外ニュースレターや、substack公式の記事から、有料ニュースレター運用のポイントを紹介します。
目次
📃有料コンテンツの中身
👀有料ニュースレターの認知を促す取り組み
🛒購読を促す取り組み
✍️まとめ
📃有料コンテンツの中身
国内ニュースレターサービス「The Letter」の創設者である濱本さんは、サブスクリプションビジネスを、習慣型・付加価値型・寄付型・参加型・商品型の5つに分類しています。この分類をもとに、海外の有料ニュースレターの中身を紹介していきます!
①習慣型
ニュースレターの配信頻度に差をつける方法です(例:無料配信は月1回、有料会員になれば週1回になる)。無料版と有料版で基本的な内容に変わりはなく、無料版は常に有料版のプレビューという立ち位置になります。無料版でニュースレターの中身が気に入ればそのまま有料版を購読してもらえるという流れになっています。
例:Ben Thompson 「Stratechery」
このニュースレターには3種類の購読プランがあります。
週1回配信の無料版「Articles」
週3回配信の有料版「Daily Update」
有料版の「Stratechery Plus」
「Daily Update」に加えて、インタビュー記事の「Stratechery Interviews」や、Podcastの「The Sharp Tech」と「Dithering podcasts」を見たり聞いたりすることができます。
②付加価値型
無料版と有料版でコンテンツの質や形式、読める時期に明確に差をつける方法です。
例:Benedict Evans 「Benedict's Newsletter」
無料版ではメディアやテクノロジーなどのニュース中心のリンクについて解説し、有料版では、コラムと詳細な分析を週次で配信しています。無料版で気になったものをより深く知るために有料版を購読するという流れになっています。
③寄付型
無料会員と有料会員の間に提供されるサービスの差はほとんどなく、配信者を支援したいという消費者が寄付を行うことでマネタイズする方法です。
世界中のスナックや飲み物について紹介するニュースレターで、無料記事しかないものの、広告を載せずに記事を配信するためには有料購読でのサポートが必要であると読者に訴えています。
I like sending something nice to your inboxes for free every week, but if you’d like to support my snack related endeavors you can upgrade to a paid subscription for just $5/month or $50/year. Or you can support my efforts directly or send me a token of birthday appreciation through venmo or paypal. Your support helps to keep this ad-free newsletter running!
④参加型
参加者が能動的に参加できることを有料コンテンツにする方法です。substack公式の記事には、下記のような読者と交流するためのアイデアが紹介されています。
●読者からのQ&A / 例:Emily Oster 「 ParentData 」
子育てやコロナに関することを配信するニュースレター。グーグルフォームで子育てやコロナについての質問を受け付けており、その質問からニュースレターを作成することもあります。有料購読者になると、ライブ配信で質問したり、全てのアーカイブにアクセスしたりすることができます。
●読者からのおすすめレシピを共有 / 例:Mia Billetdeaux「Borscht for Breakfast」
さまざまな国の食生活の物語を紹介するニュースレター。読者のおすすめのレシピ5つをメールで募り、その中から良かったものをニュースレターで紹介しています。
⑤商品型
有料購読者が、限定動画や限定商材にアクセスできるようにする方法です。
このニュースレターは、「デートを楽しく面白くする」がテーマであり、月額5ドルを払うとデートスポットをキュレーションしたGoogleマップリストをもらうことができます。
👀有料ニュースレターの認知を促す取り組み
SNSを活用してニュースレターのアクセス数を増やす
総購読者数19,000人、有料購読者数3,500人(2022年5月時点)に上るニュースレターを配信しているエコノミストのGlenn Loury は、新しい購読者を呼び込むためにSNSを活用していると話しています。
Glenn Loury は米国および世界中の人種と不平等に関するニュースレターを週に2回配信しているほか、YouTubeでも動画を週に2回配信し、現在のチャンネル登録者数は4.26万人に上ります(2022年10月時点)。さらに、YouTubeで投稿したエピソードの中から3つの短いクリップを作成してTwitterで公開し、TikTokとYouTubeショートでの実験も開始しています。
🛒購読を促す取り組み
substack公式の記事では、以下のような有料購読者数を拡大するアイデアが紹介されており、その中から3つ紹介します。
①概要ページで有料購読の価値を強調する
substackには「どんなニュースレターなのか」を紹介することができる概要ページがあります(トーチの概要ページはこちら)。この概要ページで、ニュースレターのコンセプトや有料購読の内容を書き、有料購読の価値やメリットを読者に理解してもらうことが重要になります。
概要ページで有料購読の内容を紹介する
Apparentlyは、「無料購読」「有料購読」「寄付」の3つに分けて、ニュースレターの内容や有料購読のメリットについて説明しています。それぞれのプランごとに色分けされていることで、無料購読と有料購読の違いがよりわかりやすくなっています。
有料購読の価値を読者に伝える
このニュースレターを有料購読することがどんな意味を持つのかについて、読者にダイレクトに伝えているニュースレターもあります。
「あなたの購読は、ソーシャルメディア上で構築するのが難しい一種のコミュニティへの投資です」
Your contributions are an investment in a kind of community that is difficult to build on social media, where algorithms, rather than your own interests, increasingly determine what is presented for you to read. Thank you for your support of Lucid.
「視聴者に直接支持されるメディア企業は、大胆不敵になることができる」
The warm feeling of supporting an honest mission. Media companies supported directly by their audiences get to be fearless.
②カスタムボタンを活用する
substackでは、購読ボタンやシェアボタンの他に、自由にリンクやフレーズを設定できるカスタムボタンがあり、有料購読を促すために活用することも効果的です。たとえば、Mark Bittmanは「レシピを入手」ボタンを使用して、無料の読者を有料の投稿のリンクに飛ばす工夫をしています。
③無料読者に対して特別オファーを作成する
substackの設定ページから、読者を引き付ける特別オファーを作成することができます。特別オファーは、オファーを学生、特定の組織、年間プランに限定するか、期間限定で利用できるかなどのオプションでカスタマイズが可能です。
✍️まとめ
今回紹介した有料ニュースレター運用のポイントは以下のようになります。
ニュースレターのコンセプトを明確にし、無料コンテンツと有料コンテンツの違いを概要ページに載せる
substack上のPodcastやビデオ機能、さらには外部のSNSも活用しながら定期的に配信を行う
無料読者に対して特別オファーを作成する
今回リサーチをしてみて、上記のようなポイントに加えて、Glenn Loury氏の話にあるように、常に新しいことに挑戦してニュースレターを進化させていくことが読者を惹きつけるために大切なことだと感じました。
📣トーチからのお知らせ
「ローカルフレンズ滞在記」がグッドデザイン・ベスト100を受賞しました!🎖
トーチ代表のさのかずやが原案の企画を行った、NHK北海道・夕方のニュース番組「ほっとニュース北海道」で放送されている「ローカルフレンズ滞在記」が、グッドデザイン・ベスト100を受賞しました!NHK広報局さんのnoteにて、ローカルフレンズプロジェクトの振り返り座談会やこれまでの経緯が掲載されているので、ぜひ読んでみてください!🙆♀️
10/19~23に「NoMaps2022」が行われました🔥
トーチ代表のさのかずやが実行委員を務めた、札幌クリエイティブコンベンション「NoMaps2022」が終了しました!今後、開催したイベントのアーカイブが公開される予定なので、ぜひチェックしてみてください👀
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トーチが運営するオホーツクハウスのニュースレター、10月号は知床で暮らすむらかみさんが大切にしているお気に入りのものを紹介しています!知床に訪れたときの、お土産の参考にもご活用いただけると思います🐻 記事はこちらから。
11/20(日)に行われる文学フリマ東京に出店します🏃♂️
11/20(日)に行われる文学フリマ東京に出店します!トーチ書店に取り扱っている本を用意していくので、ぜひお越しください🙋♀️
開催日時:11月20日(日) 12:00〜17:00
会場:東京流通センター 第一展示場 + 第二展示場Eホール
🙋♀️次回予告
次回は「有料noteの例から見る、日本で有料コンテンツを運用するポイント」をテーマにお届けします!
ぜひこのレターへのコメントや感想も返信などでいただけると嬉しいです!来月もよろしくお願いします🙌