こんにちは。「どこにいても、つくってゆかいに暮らす。」を掲げる株式会社トーチのニュースレターです。このニュースレターは、トーチのインターン生あさじまが、メディアやローカルに関するトピックをお届けします。毎月火曜日の朝に配信しているのですが、今回設定を間違えてしまって配信が遅れてしまいました。申し訳ありません🙇♂️
今回は、今年の6月に行われた、世界3大広告賞の一つであるカンヌライオンズ2022についてお届けします!もしよければニュースレターのご登録お願いします!
🦁カンヌライオンズとは
カンヌライオンズ(正式名称:カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル)は、1954年に設立された、毎年6月にフランス・カンヌで行われる世界最大規模の広告・コミュニケーションフェスティバルです。カンヌといえば映画祭が有名ですが、実は世界最大級の広告祭も毎年行われており、その中のアワードについては、One Showやクリオ賞と並んで世界3大広告賞の一つと言われています。今年は3年ぶりに対面での開催となりました。
部門は毎年再編され、今年は9つのトラックで29の部門が設けられました。一つの作品で最大6部門+チタニウム部門に応募することができます。
このニュースレターでは、29部門のうち複数部門でグランプリを受賞した4つの事例について、2回に分けて紹介します!
🎖複数部門受賞した事例
①Mars|Sheba「Hope Reef」
●受賞部門
Industry Craft Lions、Media Lionsの2部門
●概要
「Hope Reef」は、世界 80 以上の国と地域でペットケア、チョコレート、食品など 4 事業を展開する食品会社MarsのキャットフードブランドShebaが行なっている、2029年までに世界中で18万5千㎡以上のサンゴ礁の回復を目指すプロジェクトです。
インドネシアの地元コミュニティとともに、サンゴ礁の自力回復を促すように設計された鋼鉄製の土台「Reef Star」を開発し、インドネシアのスラウェシ島沖に設置しました。このプログラムは2021年に公開され、サンゴ礁で表した「HOPE」という文字を海に浮かびあがらせました。
出典:https://www.shebahopegrows.com/home
●なぜキャットフードブランドがサンゴ礁?
キャットフードの材料を魚に依存しているShebaにとって、海洋資源やサンゴ礁は、同ブランドのビジネスや原材料の調達を支える重要な存在です。しかし、気候変動や乱獲、水質の低下などによって2040年までに最大90%のサンゴ礁が失われると予測され、世界の海洋多様性の25%は絶滅の危機に瀕しています。
Shebaのプロジェクト「Hope Reef」は、10年にわたるMarsの研究をもとに、サンゴ礁の維持と回復に役立つ方法を探っています。
●グローバルなスケールと深い個人的なつながりの両方を構築した没入型の体験
Media Lionsの審査委員長を務めるダリル・リーは、このプロジェクトを「グローバルなスケールと深い個人的なつながりの両方を構築した没入型の体験」と評価しました。Marsは、Googleと提携し、Hope ReefをGoogle Earth上のランドマークとして、Googleマップとストリートビューで見ることができるようにしました。
さらに、YouTube上で「Hope Reef」の活動を伝えるキャンペーンフィルムを公開しました。キャンペーンフィルムで得た収益は全てサンゴ礁回復のパートナーである環境保護団体「The Nature Conservancy」へと寄付され、サンゴ礁の回復に向けてさらなる資金集めを行なっています。
こうした宇宙からも見ることのできる水中の広告塔としてスケールの大きさと、キャンペーンフィルムを見ることで人々がサンゴ礁の回復に貢献できるという個人的なつながりの創出の両方を構築したことが高く評価されました。
●サンゴ礁の成長度合いによって太さの変わるフォント
Shebaはさらに、Reef Starをモチーフにした成長するデジタルフォントを作成して世界海洋デーにリリースし、屋外キャンペーンやソーシャルメディア、印刷媒体における教育コンテンツを展開しました。このフォントは、サンゴ礁の成長度合いによって太さが変化するもので、そのデザイン性が評価されてIndustry Craft Lionsでグランプリを受賞しました。
出典:https://www.canneslions.com/enter/awards/craft/industry-craft-lions#/
②VICE WORLD NEWS「The Unfiltered History Tour」
●受賞部門
Brand Experience&Activation Lions、Social&Influencer Lions、Radio&Audio Lionsの3部門
●概要
「The Unfiltered History Tour」は、アメリカのニュースメディアVICE WORLD NEWSが作成した大英博物館内の10個の展示物を巡るバーチャルツアーです。
大英博物館の展示物の中には、イギリスが植民地から略奪したり、奴隷貿易によって不当に手に入れたりしたものがあります。しかし、大英博物館は本来の所有国に返還することを拒否しており、さらに、博物館ではそういった本当の歴史は語られず、帝国主義側に都合がいい事実だけが伝えられてきました。
そこでVICEは、SNSのAR機能を活用して、”フィルターを外した”ヒストリーツアーを人々に提供しました。大英博物館の展示物にスマートフォンのカメラをかざすと、その展示物が略奪された歴史を伝えるナレーションが流れたり、展示物の背景が略奪の歴史を示したイラストが映し出されたりします。
「The Unfiltered History Tour」は大英博物館に無許可で製作・実施されたプロモーションであったことも相まって、様々なメディアで取り上げられ、広告換算費は63万ドルに上りました。
●これまで聞こえなかった声を伝える・受け手と共につくる
「Unfiltered History Tour」で展示物の本当の歴史について語っているのは、略奪された側の子孫や歴史の専門家です。
Social&Influencer Lionsの審査委員長のケイトリン・ライアンは、「Unfiltered History Tour」について、ソーシャルキャンペーンのあるべき姿の一例であると評価し、「おそらく最も重要なことは、これまで聞こえなかった声を伝えることができるようにすること」と述べています。また、「本当に素晴らしいソーシャル・インフルエンサーの作品は、強力な方法で共同制作されており、単にインフルエンサーを購入するだけではありません」と話し、「メディアの受け手とと共に作る」ことの重要性を強調しています。
✍️今回のまとめ
今回は、カンヌライオンズで複数部門受賞した二つの事例を紹介しました。今回紹介した事例に共通するのは、消費者との深い個人的な繋がりを生み出したことが評価されたことです。
Social&Influencer Lionsのショートリスト(全体のエントリーから受賞候補を絞り込んだリスト)審査員の一人である電通デジタルの谷口さんは、「The Unfiltered History Tour」について、下記のように話しています。
SNSは私達のリアルライフを反映しておらず、ネガティブな側面はフィルタリングされているという声がある中、逆にSNSを使うことで歴史のフィルタが解除され、そのリアルな姿が見えてくるというアイデアが、残酷な真実からつい目を背けてしまいがちな私達への痛烈なカウンターとなっています。
SNSの発達によって自分の興味のある情報がピックアップされ、見たくないものを避けることができるようになった中で、逆にSNSを使うことで消費者と共に新たなリアルを作ることができるというのは、マスメディアの時代にはなかった広告・コミュニケーションの形で面白い視点だと感じました!
ぜひ皆さんが気になっているカンヌライオンズの受賞事例やその他の広告など、コメントで教えてください🙌
📣トーチからのお知らせ
北海道帯広市でシェルター運営を継続させるためのクラウドファンディングをお手伝いしました!
トーチが記事・画像の作成、リターンの考案などの全体プロデュースを行った、帯広でシェルターの運営を継続させるためのクラウドファンディングが目標を達成しました!ご協力いただいた皆さまありがとうございました🙇♂️引き続きこの取り組みを応援していただけるとありがたいです!
9月からトーチに新メンバーがジョインしました!
トーチに9月から、フルタイムのメンバーとして鬼塚さんが入社しました!
はじめまして!鬼塚菜々(おにつかなな)と申します。9月から、トーチのメンバーに仲間入りました。
わたしは現在、社会人3年目の25歳です。新卒で入った会社ではシェアハウスの運営をしたり、その後はアパレルの会社でアルバイトをしたりしていました。仕事と並行してライティングの学校に通っていたので、トーチでもまずは文章を書くことから、徐々にお仕事の幅を広げていく予定です。
出身地は、埼玉県です。生まれてから先月までずっと埼玉県に住んでいました。
北海道という日本が誇る魅力的な土地で、企画や編集の仕事をしたくてトーチに入社を決めました。
最初は不慣れな部分も多いかと存じますが、ひとつひとつの仕事に対して丁寧に向き合いながら、トーチを盛り上げていければと思います。
どうぞよろしくお願いいたします!
みなさんと接点を持つこともあるかと思いますが、よろしくお願いします!
🙋♀️次回予告
次回は「カンヌライオンズ2022の注目事例Part2」をお届けします!お楽しみに!
ここまでトーチ通信を読んでいただきありがとうございます!ぜひこのレターへのコメントや感想も返信などでいただけると嬉しいです!来月もよろしくお願いします🙌