トーチ通信#4:クリエイターが集まるコミュニティとは?
こんにちは。「どこにいても、つくってゆかいに暮らす。」を掲げる株式会社トーチのニュースレターです。このニュースレターは、トーチのインターン生あさじまが、メディアやローカルに関するトピックをお届けします。もしよければニュースレターのご登録お願いします!
今回は、「クリエイターが集まるコミュニティとは?」をテーマに、コミュニティづくりに力を入れているコワーキングスペースや、文化的な活動(アートなど)×コミュニティの活動事例をリサーチしてみました。
クリエイターが集まるコミュニティづくりを実践している事例から、「コミュニティの土壌をつくる」「クリエイターを集める」「コミュニティを持続させる」の3つの段階ごとに工夫が見られました。以下では、それぞれの段階ごとに特徴的な工夫を行っているコミュニティ事例を紹介していきます。
✅コミュニティの土壌をつくる
世界12拠点にあるコミュニティカフェの東京拠点「Fabcafe Tokyo」のCTO兼事業責任者の金岡さんは、コミュニティを運営する中で「“誰もが理由もなく”集まれる場があること」が重要であるとして、以下のように話しています。
会員登録をして、目的があって赴く場ではなく、フラッと寄れたり、とくにプロジェクトがなくてもPC作業をするためだけでも寄れるような敷居の低さ。これがコミュニティの土壌として非常に大切なのである。
このような、常に開かれた場がなければ、どんどんとコミュニティに参加する人の血が濃くなってしまい、新規参加の敷居が上がったり、新たな出会いが少なくなることで、やがてコミュニティがゆるやかに消滅していってしまう。だからこそこの条件は、非常に重要な要素だと思う。
出典:CreatorZine「コミュニティを持続させるために必要な5つの条件とは ――クリエイターがつながりをもつ意義を考える」
Fabcafeでは、カフェに3Dプリンターやレーザーカッターなどのデジタルものづくりマシンを設置し、アートやバイオなどの特定のテーマで共創を行うコミュニティ活動をおこなうなど、イノベーションを生み出すためのコミュニティづくりに力を入れています。しかしその一方で、コミュニティの土壌を作るためには、誰もが集まれるオープンな場を設けて、常に新たな出会いが生まれることが大切だと話しています。
↓Fabcafe Tokyoのカフェスペース
出典:Fabcafe Tokyo
✅クリエイターを集める
クリエイターを集めるためには、クリエイターにとって使いやすい場所であることが重要になってきます。
サンフランシスコにあるコワーキングスペース「Bespoke」は、ショッピングモールの中にあり、コワーキングエリア・デモエリア・イベントエリアの3つのエリアに分かれています。3つのエリアの内、コワーキングエリアにある会議室を利用して一定期間ポップアップショップを出すことが可能で、ショッピングモールのお客さんがショッピングのついでに立ち寄って購入することができます。この会議室はコワーキングスペースの会員ではなくてもポップアップショップとして利用することができます。作品を検証する場を設けることで、よりクリエイターにとって使いやすい場所として機能しています。
出典:INSIDER「Tech startups are using a San Francisco shopping mall to sell their online products in the real world」
また、特定の分野のクリエイターを集めたい場合は、テーマを絞ったコミュニティづくりを行うことで、理念に共感してくれるメンバーが集まり、より関係性の強固なクリエイターコミュニティをつくることができます。
ニューヨークにあるコワーキングスペース「PRIMARY」は、Health & wellnessに価値をおくことで、健康に関する事業を行う企業や、「健康」を重視した働き方や思想に共感するメンバーが多く入居しています。自然光を取り込んだ空間デザインや、オーガニック素材の飲食物の販売など、至るところに「健康」という価値観を反映したコワーキングスペースになっています。
出典:WORK MILL「編集部がミル ― コワーキングスペース探訪 NY編」
✅コミュニティを持続させる
コミュニティを持続させるためには、上記で挙げた「誰にでも開かれた場をつくる」に加えて、継続的にコミュニティメンバーに来てもらうことが大切になってきます。ここでは、継続的に来てもらうために見られた工夫をいくつか紹介します。
メンバーが自由にデザインできるスペース
ドバイにある15〜35歳限定のコワーキングスペース「Youth Hub」では、利用者が自由にデザインできるロッカーを設置することで、コミュニティへの帰属意識を持たせるように工夫しています。それぞれのロッカーには、アラビア語で目標ややりたいことが書かれているそうです。
出典:BUFF「海外レポート:コワーキングスペース in ドバイ」
コミュニティマネジャーの導入
ベルリンにあるコワーキングスペース「AHOY!BERLIN」では、メンバーのプロフィール(技術や指向、実績など)を把握しているコミュニティマネジャーが配置され、メンバー同士をつなぐ役割を果たしています。
また、東京都内に4つの拠点を持つシェアオフィス「MIDORI.so」を運営するMIRAI-INSTITUTE株式会社の代表・小柴さんは、シェアオフィスを「自分ゴト」として捉えてもらうために、メンバーとはつかず離れず、心地よい繋がりを持つように心がけていると話しています。同社のコミュニティ・オーガナイザーである増田さんも、サービスを「提供する側」と「受ける側」という関係性ではなく、対等でいられる「同志」のような関係性でメンバーと接しているそうです。
このように、目指すコミュニティの姿によって、コミュニティマネジャーに求める役割も変わってくるため、コミュニティマネジャーを導入する際には、メンバーにどんな形でコミュニティに関わって欲しいのかを考える必要があります。
参加のハードルにグラデーションをつけたイベント
神戸市のコワーキングスペース「120 WORK PLACE KOBE」では、会員限定の交流会・山登りイベント・ワークショップ・起業相談会など、参加のハードルにグラデーションをつけたイベントが定期的に行われており、コアメンバーから会員ではないメンバーまで幅広い人が参加できるようになっています。
出典:120 WORK PLACE KOBE
✍️今回のまとめ
今回は、「クリエイターが集まるコミュニティとは?」をテーマにお届けしました。クリエイターが集まるコミュニティづくりを実践している事例から、以下のような工夫が見られました。
コミュニティのテーマを絞りつつ、参加のハードルにグラデーションをつけることで、出会いの入り口は広げつつも特定の分野のクリエイターが集まるコミュニティを形成することができます。また、帰属意識を持たせるような設備の工夫やコミュニティマネージャーによって交流を促進することで、コミュニティを持続させている事例が見られました。
ぜひ皆さんの周りのクリエイティブコミュニティがうまく続いている事例などをコメントで教えてください🙌
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