こんにちは。「どこにいても、つくってゆかいに暮らす。」を掲げる株式会社トーチのニュースレターです。トーチのインターン生あさじまが、メディアやローカルに関するトピックについて、毎月第1火曜日の朝にお届けします(2回目にして遅れてしまい、申し訳ありません💦)。もしよければニュースレターのご登録お願いします!
前回は、「ニュースレターとは?」をテーマに、メルマガとの違いやフォーマットについてお届けしました。今回は、前回に引き続き、ニュースレターについてお届けします。テーマは「ニュースレターの歴史と各配信サービス」です。
📚ニュースレターの歴史
登録読者にコンテンツを定期的にメールで配信する、という「ニュースレター」の形は、2012年から2015年の間にアメリカで普及しました(DIAMOND SIGNAL)。普及した背景については、以下のように企業側と読者側のそれぞれの切り口から見ることができます。
[^1]「なぜ今、ニュースレターなのか? 2 ~ メディアの生存戦略 ~」(濱本至氏のSubstackより)
[^2]「なぜ今、ニュースレターなのか? ~ 注目経済脱却の夜明け ~」(濱本至氏のSubstackより)
[^3]「ソーシャルからスローへ。メール配信で急成長を遂げるメディアたち」(WiLL Cloud Blog)
その後、2017年にニュースレター配信サービス「Substack」が米国でローンチしました。Substackは、シンプルで書きやすく、購読者数に制限がないことから、個人のライターが独自のコミュニティを作って、安定した収入を得ることが可能なプラットフォームです。有料購読者数が1万人に迫っている「The Dispatch」など、個人ライターの成功事例を作ることができたことで人気のサービスになりました。
2020年から、アメリカでニュースレター関連企業の買収が相次ぎ、2021年にはTwitter社がニュースレター配信サービスRevueを買収したことで注目を集めました。
日本国内では、2021年に下記のような国産の配信サービスが登場し、ニュースレターが広まりつつあります。
2021年6月 「WISS」(運営会社:Newsletter Asia)※2022年4月27日に新規記事の配信終了、2022年7月31日にサイトの公開終了
2021年9月 「Medy」(運営会社:Spectra)
2021年10月「theLetter」(運営会社:OutNow)
ニュースレターの今後の展望として、人気ライターの囲い込みなどによる企業化が進んでしまうのではないかという懸念があります。WIREDは、2000年代前半のブログブームの際に多くのブログがGawker Mediaのような企業に買収されたことを例に挙げ、ニュースレターの権利を買い取る企業が出てくるのではないかと懸念しています。
また2021年に、Substackから「Substack Pro」という、トップライターと1年間分の料金の前払い契約を結ぶサービスが発表されました。Substackの共同創設者であるハミッシュ・マッケンジー氏はSubstack Proについて、「ライターよりも多くのリスクを負い、1年間の取り組みに対して報酬を払うもの」とし、あくまでもライターを支援する仕組みと主張しています。一方で、Substack Proは知名度のあるライターを優先するサービスだという批判の声もあり、今までコンテンツを生産してきた個人ライターのSubstack離れが起こっています。
Substack Proに関する参考記事
●「サブスタック、新たな有料コンテンツプログラム「サブスタックプロ」を発表…ライターを経済的に支援」(Media Innovation)
●Why we pay writers(On Substack)
●購読型ニュースレタープラットフォーム「Substack」の台頭とライティングメディアのこれから(CreatorZine)
●Substack: the future of news – or a media pyramid scheme?(the Guardian)
👩💻ニュースレターの配信サービス
現在、人気のある配信サービスはSubstackですが、2021年には国内ニュースレター配信サービスがいくつかローンチしました。Scribbleさんが実際にいくつかのサービスを試してみた記事を参考に、Substack, Revue, theLetterの3つの配信サービスについてまとめてみました。
Substack
英語の仕様しかないものの、ニュースレターの書きやすさに特化した機能があり、無料ながら汎用性が高い。
Revue
Twitterの連携機能によってアカウントは作りやすいが、管理画面に難あり。
theLetter
国内サービスという使いやすさと設定の細やかさが売り。
各配信サービスの比較
トーチのニュースレターでは、書きやすさを重視してSubstackを使うことに決めました。
今回のまとめ
今回は、「ニュースレターの歴史と各配信サービス」をテーマにお届けしました。
企業の広告モデルからサブスクリプションモデルへの転換の後、個人ライターの収益確保の場としてさらに普及したニュースレターですが、今後は企業によるコンテンツの買収が懸念されます。
2022年の4月には、「Gizmodo」などの多数のメディアを保有するG/Oメディアが、グローバルニュースを届けるニュースレター「Quartz」の買収に合意したと発表しました。この買収については、品質よりも拡散性の高さが重視されるG/OメディアにQuartzが加わる事を悲観する声が多く見られています。このように、今後もニュースレターの特徴に合わないようなメディアからの買収によって、ニュースレターの良さが消えてしまうことが考えられます。
日本では、昨年複数の配信サービスがローンチし、ニュースレターが徐々に広まっている段階にあります。しかし、国産のニュースレターサービス「WISS」は、読者数の伸び悩みによってわずか1年余りでサービスを終了しました。クローズドコンテンツであることから、有名ライターを囲い込んだプラットフォームを作っても読者数が急激に伸びることはないため、長期的な目線で読者を獲得していく必要がありそうです。また、国内では、誰もがコンテンツを発信できるプラットフォームとしてnoteが広まっているため、ニュースレターが個人の発信の場として広く普及していくことは難しいかもしれません。
しかし、ニュースレターには、購読者のもとに定期的にメールコンテンツとして届ける点において、読者との1対1の関係性を長く作っていくことができるという魅力があります。そのため、たとえ広く普及はしなくとも、ニュースレターというメディアの形がなくなることはないと感じます。
皆さんはニュースレターが今後どうなっていくと思いますか?今回ニュースレターの歴史を調べる中で、ブログやメルマガの歴史も出てきたのですが、私はブログやメルマガブームをあまり経験してこなかったので(1998年生まれ)、ブーム当時はどのような発信の動きがあったのかが気になりました。当時のブームの様子や、今後のニュースレターの動向についての皆さんの考えをぜひ聞かせてください🙋♀️
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次回予告
次回は、「スイーツアカウントの事例から見る、Instagramを運用する上で押さえておきたい基礎的なポイント」がテーマです!お楽しみに!
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